大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)1399 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人池田久の上告趣意第一点について。

しかし所論憲法の規定が保障する裁判を受ける権利とは、偏頗でない公平な組織

構成を有する裁判所の裁判を受ける権利という意味であることは当裁判所の判例と

するところである。ところで、原審第四回公判廷で所論のようないきさつで所論の

証人が喚問されなかつたことが、所論のように原判決の刑の量定に影響を及ぼすも

のであるとしても、原判決が偏頗の虞れのない公平な組織構成の裁判所の裁判であ

ることには何等関係のないことがらであるから、原判決をもつて所論憲法の規定に

違反するとの所論はとるを得ない。論旨は理由がない。

同第二点について。

しかし、本件は旧刑訴三三四条所定の必要弁護事件にあたらないものであつて、

所論のように被告人からその選任した弁護人の解任届を昭和二五年四月一九日の原

審第二回公判期日に提出していることは記録上明らかであるが、それだからといつ

て被告人が刑訴応急措置法第四条による弁護人の選任を原審に対して請求したもの

とは認められないし、その他に被告人から弁護人の選任を請求した形跡は記録上全

然発見することができないのである。そしてかかる場合に弁護人を選任するか否か

は原裁判所の裁量に任されているところであるから、原裁判所が必要なしと認め弁

護人を選任せずその立会なくして審理をしたからといつて、原判決には毫も違法の

かどは存しない。論旨は理由がない。

よつて旧刑訴四四六条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

検察官 浜田龍信関与

昭和二五年一二月一四日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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